しろくまさんの日常

フラメンコギタリスト 北村海人のブログ

「フラメンコの音」について

 

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クロサワ楽器が決算セールしてるらしい。

 

 

 

長年(といっても7年くらいだけど)フラメンコギターを弾いてて

凄く不思議に思うことについてまとめてみました。

 

 

 

題名にもありますように

 

 

 

 

「フラメンコの音について」

 

 

さらい言えば

 

 

 

「理論、弾き方、ギターの個体差のみでは再現できない、『フラメンコの音』について」

 

 

です。

 

 

ギター弾きならこんな経験ありませんか?

 

 

 

 

自分のギターを他人に弾かせた時、

全然自分の弾くギターに聞こえない!!!

って経験。

 

 

 

 

 

 

「え!?これ自分のギターなの!!?」

 

 

 

 

 

って経験。

 

 

 

ぼくは凄くあります。

 

 

 

 

ぼくにはすごいコンプレックスがあります。

 

フラメンコっぽい音が出ない。

 

っていう悩み。

もうほんと悩みです。

 

 

 

 

 

「そんなのはフラメンコじゃない!」

 

「ロックに聞こえる」

 

なんか違う」

 

「ふっふっふ、まだまだ若いノォ」

 

「お前のはフラメンコの音じゃない!!」

 

 

 

 

 

 

もう何度言われたことか笑

 

 

 

 

 

多分色んな人が自分の演奏にそう思っていて、

自分が理想とする「フラメンコ」の音に近づこうと

日夜泣きながら練習してるんじゃないかなーって思います。

 

 

 

 

 

そうして悩んでおりますが、自分のギターを他人に弾かせた時

 

 

 

 

「こんな音でるのチミは!!!??」

 

 

 

 

という事が非常に多い。

 

 

 

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で、さらに他人が持ってる

自分のより遥かに良い値段のギターを

有り難く聴かせてもらうと

 

 

その人と同じ音が出ない

 

 

 

 

おもしろいですよねー。

 

 

これって、個人差、ギターの個体差、テクニックですよね。

 

  • 手の形
  • 手の厚さ
  • 爪の長さ
  • 爪の厚さ
  • 手の筋肉のつき方
  • 筋繊維がどれだけ動いてるか
  • 肘から伸びる腱の強さ、柔軟さ
  • 関節の柔軟さ
  • 指先の角度、タッチの加減
  • そのギターが自分にどう作用してるか

 

 

などなど。人によって、ギターによってこれらのスペックには

当然個人差があるので、違いがあって当然。むしろ違いがあって

当然だしそれが楽しい。

 

 

 

 

みんな違ってみんないいはず。

 

 

 

 

それぞれ違いはありますが、

 

 

フラメンコギターや、フラメンコがうまい人には共通するものがあります。

 

 

 

 

 

みんな違うはずなのに共通する事。

 

 

 

 

Sabor(サボール)

(風味とか味とかニオイみたいな意味合い)

 

 

 

 

があるのだ。

(勝手に言ってるだけなので間違ってたらごめんなさい)

 

 

 

 

 

 

 

なんかこう、聞いてて

 

 

 

匂い立つ音。

 

 

 

 

喩えるなら、

 

「梅干しを想像してみて?」

って言われたときの

舌の横から記憶のある酸味が蘇り、

少し唾液がじわーってでるような感じ。

 

 

 

レモン、すっぱいよね!!

 

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焼肉、はらへるよね!!!

 

 

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なんかそんな感じ。

 

 

 

 

イメージなくてもなんかそこにある感じ。

 

 

 

 

フラメンコ的な意味合いにおいての

Saborってどんなのかなぁって考えたんだが、

 

 

 

 

 

シェリー酒の香り?

 

木材の香り??

 

汗の香り??

 

レモンの香り?

 

生ハムの香り?

 

オリーブの香り??

 

ホコリ臭い香り??

 

 

 

 

 

フラメンコギターを使って、

足を使って、

身体を使って、

パルマを使って、

声を使って、

 

 

フラメンコ

 

を、ちゃんとできる人の音を聞いたり体に浴びると、

 

 

 

ぼくはそんな香りを感じます。

 

 

 

 

匂い立つ

 

 

って言葉、おもしろいですよねー。

ぼくも匂い立つ音、出るようになりたい。

 

 

 

 

 

 

この

 

匂い立つ音

 

 

だったり

 

匂い立つ声、

 

匂い立つ踊り、

 

匂い立つなにか

 

 

 

ってのは、

 

 

 

その人がどれだけフラメンコに従事してきたか

どれだけフラメンコを食べてきたか

どれだけフラメンコを愛してるか

 

 

 

に比例するなって思います。

 

 

 

 

でも時たまフォーク酒場やギターを弾いていい居酒屋、

オープンマイクなどで

 

 

 

『フラメンコギターいいね!!!』

 

 

 

って言ってくれるおじいさん(フラメンコ、ギター共に未経験)に

自分のギターを弾かせると

 

 

 

 

Saborのある音鳴らす人いるんですよね。

 

 

 

 

こればかりはもうわからんけど(笑)

 

 

ここにはきっと、音楽理論、弾き方、テクニック、知識を超えた

 

 

その人の人生経験

 

 

ってのが音に乗るんだろうなーっておもいます。

 

 

 

 

 

 

https://youtu.be/mkoZo5tgS3M

 

Diego del gastor の匂い立つ Toque de moron

 

 

 

 

https://youtu.be/qGJ9S3Is6lY

Paco peñaの匂い立つSolea de cordoba 

 

 

 

https://youtu.be/L-mgWODNpk0

 

Manuel morao の匂い立つSolea por buleria 

 

 

 

 

最近はモロンにハマってます。