2024/03/14 ヘレス渡航手記 【べちょべちょのパエリア】
熱くてモテないカフェコンレチェ
僕が本国スペインで初めて食べた思い出のパエリアは、雑炊なんじゃないかと言うくらいのべちょべちょのパエリアであった。
「スペインといえばパエリアだろう」
なんて安直な理由で、1度目の渡航の際に入った店がある。「Ola〜」と出迎えてくれたのは、キリッとしたアンダルシアの方ではなく凄く馴染みのあるアジア顔の多分中国人の方で、入って出るのも失礼にあたるかと思って「もういいや」と思ってそこで頼んだ人生初の本国パエリアが、そのべちょべちょのパエリアだった。
なんてことが7年前にあって、場所も覚えてて
「もう食べることは無いだろう」
と思っていたのだが
「あ!カイトさんだ!!!!」
と言う声がして振り向くと、そのべちょべちょのパエリア屋さんに知り合いがいたのだ。
夜ご飯に混ぜてもらい、旅路をそれぞれ報告しあっていた。
中国人の店員さんは見当たらなく、
「あ、経営者が変わったのかな!」
とおもい、知り合いたちがパエリアを頼んだという話を聞いた時に少しヒヤッとしたが
「もう7年も経ってるし店の中の顔ぶれも変わってるし大丈夫だろーな…」
と思ったので楽しみに待つと
べちょべちょのパエリアが来たのである。
帰りがけに店の奥を覗くと、前に見た中国人らしき一家がのんびり佇んでいた。
そう、多分想像するに、7年で人を雇えるほど経営が良くなり、多分前線には出なくなったのだろう。
7年振りのべちょべちょのパエリアは、心做しか美味しく感じた。