しろくまさんの日常

フラメンコギタリスト 北村海人のブログ

昔の人はどんな留学だった?

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【うなだれるペッパーくん】

※題名とはまったく関係ないです。

 

いまでこそこのグローバル時代、海外にいてもオフラインダウンロードしたGoogle翻訳Googleマップがあれば、自分がどこにいるかすぐわかってなんとなく意思疎通が出来て、公共のWi-Fi拾えば地球の裏側に住む人までメッセージや通話ができて、なんか面白いものやインスタ映えするものがあれば撮影、録画したりできる。

 

側にぼくも現代の文明の利器をフル活用しながら生活している。

 

 

ぼくはフラメンコギタリスト。

こんな便利な世の中、また何年かすればもっと便利になってくんだろうなーなんて思うこの頃、

 

昔の人ってどんな留学してたんだろう???

 

 

なんて考えたことがあり、書物を読んだり人に聞いたりしたことがあります。

 

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こんな本をとあるフラメンコ界に精通されてるお人から勧められ、読んでみました。

事実上、日本で初めてフラメンコギターを学んで帰ってきて、日本で最初にフラメンコギターをやったひとである方の著書。

 

『砂上のいのち』勝田保世 著。

 

 

ぼくはそれこそ活字を読むのは滅多な機会がない限り読まないのであるが、近年で一番おもしろかった著書である。

 

その御人、勝田保世さんは遥か昔戦前とかかな?日本を船で旅立ちロシアからシベリア鉄道で大陸を横断してヨーロッパを目指し、アンダルシアにたどり着き帰国してきたという、今の世でいうならば冒険者に等しい行いをしてきた方である。

 

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こういうこと

 

 

この本はその半生や激動の時代である最中のスペインでみてきた事をとても鮮明に書いてある非常に面白いものであった。

 

 

 

 

:(;゙゚'ω゚'):

 

スペインに着くまで最短で2週間以上かかる旅程。その道中に乗り換えとか数々の困難があったことを鑑みると、

 

いまってマジ良い時代よね

 

 

っておもったのである。

 

今はイベリア航空で日本からマドリードまで直行便が開通し、現在では14時間もあればスペインに行けるのである。

 

新作の映画7本みたらスペインです。

 

 

ほんまにええ時代や

 

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機内からみたロシア上空の写真

 

そしてぼくは留学してるとき、ペーニャに赴いて盛り上がってるところを動画で撮影したり、めっちゃ良い演奏をしたアーティストと写真撮ったり、日記みたいなものをiPhoneのメモ帳に書いたり、親とラインしたり、、、、

レッスンの最後にはおさらいを動画で撮影して、、、

 

 

 

昔と比べてみよう。

 

むかしはiPhoneなんてなかった。

 

から、レッスンしてもらった最後に録画なんて出来ないし、そんな文化もなかったし、だいたい録音や録画なんて今から比べれば絶対みんな嫌うものだったはず。

 

先人と比べてみて、今の時代を生き、志を持って異国に旅立つ僕らたちと比べてみたら、

 

昔の人たちの方が、少なくともぼくより時間や「その時」を大切にしていたんだろうな

 

そうおもったのです。

そんなに苦労してまでもたどり着いた彼の地で、彼らは学んだのです。

 

いまの若い世代の方々において、留学したことある人とか、その文化に精通した国の人に教えを乞うた事のある人はかならず誰もが通ってると思うけど、

 

『動画とったしまぁいいや』

 

って心、ないですか?

 

ぼくは少なからずともありました。

 

 

言いたい事言う前に話がだいぶ逸れちゃったけど、言いたいことは

 

もっと大切に限られた時間を過ごしていこうや

 

ってことと、

 

 

昔の人のみなさま、先人の皆様、フラメンコを日本に持ってきてくれて本当にありがとうございます

 

 

ということです。

 

 

 

 

 

勝田保世さんをはじめとする先人、今のフラメンコ界に長年いらっしゃる方々が身を削って熱いものを持って学んで、

 

それを日本で始めたことによって、習う人や興味のある人が出来て、その人たちがスペインいって帰ってきて同じような轍を歩いて…

 

 

時代が流れて、ぼくたちみたいな若造(もう28になりそうですが若造カテゴリーにさせてください)がフラメンコに興味を持てて、心熱くなって学んだり夜な夜な練習出来たり出来てるんですよなってことを、言いたかったのです。

 

激動の時代(まぁいまも激動っちゃ激動だけど、)その最中で前例の無い時に足を運んだ人や、単身で乗り込んだ先人って、やっぱすごいよなっておもったのです。

 

 

フラメンコに精通された大先輩あたる方々(60〜80代の方々)に、留学前にお話を伺った際も、度々、かつての時代はシベリア鉄道を使い荒野を幾日も走り、学びに行ったという回答を聞いた際には本当にびっくりした。動画なんてないからその場で死ぬ気で習得して、超絶がんばったとか。

 

シベリア鉄道ってほんとにあるんや…)

 

とかおもったり

 

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この画像があたまに浮かんだりしました。

 

 

そして諸先輩方々(30〜50代)のお話からはさすがにシベリア鉄道というワードは無かったけど、南回りの安い空路で行って、もちろんiPhoneなんて無かったからその場でファルセータ習得したりまわりのひとと確認しあったり、、、

 

録画が許された場合、8mmテープとビデオカメラで撮影📹

 

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イメージ

 

 

帰る頃にはテープがぎっしり録画されて帰国…

 

だなんてこともあったみたい。

 

でもその大先輩たちが苦労して行った轍のおかげでいまフラメンコが日本で学べるのって、なんか素敵だなっておもいました。

 

さて、タンゴ作らなきゃ…